アヴァプヒ=ジンジャーの意味で、日本のショウガと違って「香りを楽しむ」あるいは、鑑賞するためのジンジャーは他にも多くの種類があります。
①トーチジンジャー
和名はカンタン。東インドからマレーシア、インドネシア原産の高さ2〜4mになる大型の不耐寒常緑多年草。地中から直接花茎が伸びて、その先端に松明のような形の花がつきます。葉は別の株で70×15cmほどの大きさです。にょきっと伸びた茎に花だけがついた姿はまさに松明そのものです。花に見える赤い部分は実は苞で、この中に花が隠れています。
華麗な花穂は切り花として見ることができます。マレーシアでは蕾をカレーに入れて食べたり、根茎は香辛料として使用します。さすがショウガです。葉や茎からは紙をすくこともできます。造花のような姿が個性的で面白い植物です。日本では植物園などでなければ見られないかも知れません。
②シェルジンジャー
インドから東南アジア原産です。ハワイでは、熱帯降雨雨林のあるマウイ島、ハワイ島、カウアイ島の一部で野生のものが見られます。草丈は2〜3mに伸び、葉は50cmほどの大きさに育ちます。花房も大きなものは50cmにもなり、春から夏に写真のような色の綺麗な花を付けます。この花も清涼感のあるよい香りです。日本でも園芸種がいくつか見られ、鉢植えや庭植えで育ちます。大きな葉から採った油が甘い香りを放つので、アロマオイルとしても使われています。この油は虫除けの効果もあるそうです。
地下茎が横に這うので、1つ見られるその範囲であちらこちらかで見られることもあります。
③レッドジンジャー
ちゃんとしたハワイ名は“`Awapuhi `Ula `Ula”と言います。メラネシア群島とモルッカ諸島の原産。メラネシアはニューギニアや、フィジー諸島などのあるあたりです。現在レッドジンジャーは、熱帯各地で見られます。もちろんショウガ科の植物です。草丈1〜4mに育ち、春から秋まで花を咲かせます。この赤い部分が苞で、苞の間から小さな白い花が咲きます。花を見るとなかなか気づきませんが葉を見るとショウガ科の植物であることに気づきます。
ハワイのジンジャーは、人の背丈より高く育つものが多いので、心して観察してください。下ばかり見ているとせっかく近くまで行けても気づかないままで終わってしまうことがあります。
④カヒリジンジャー
ハワイの王が使うカヒリに形が似ているので、カヒリジンジャーと言います。黄色い美しい花がまとまってカヒリの形を作っています。
インド、ネパール、ブータンなどが原産地です。高さ2メートル以上に成長し、登頂に咲く長い赤のめしべを持つ黄色の花が写真のように規則正しく並んで咲きます。これらの花の集合体が作る形が、ハワイの王室で使われていたカヒリ(鳥の羽を集めて作ったまといのような装飾具)に似ていることからこの名で呼ばれています。カヒリはビショップミュージアムなどで展示されているので、是非見に行ってみてください。